スピリチュアル用語の「ワンネス」。
英語ではOnenessとなり「ひとつ」という意味になります。
それではその「ひとつ」であることにはどういう意味があるのでしょうか。
またワンネスを体験・体感するためにはどうすればいいのでしょうか。
ワンネスを体験・体感するとどのように周囲の世界がかわっているのでしょうか。
1.宇宙はひとつの存在だった
ワンネスという考え方の背景には「もともと宇宙はひとつだった」という科学的な裏付けがあります。
この宇宙のすべてを作り出したというビックバンが起きる前には、光も闇も物質も温度も時間も空間もも、すべてのものがひとつの状態でした。
それがビッグバンによってすべてが生まれたのです。
またビッグバン以前には人間はもちろん、意識や心といったものもすべてひとつの状態でした。
それはすべての根源だった状態です。
2.自分も他人も元はひとつ
つまりビッグバン以前は自分も他人もたったひとつの存在でした。
その塊から分離した魂が意識や肉体を持つようになり、やがて自分と他人という区別が生まれていきます。
しかし魂のレベルでは、かつてすべてのものはひとつの存在だったということは今でも記憶されているのです。
例えば、初めて訪れる場所なのに懐かしさを感じたり、初めて会う人なのに親しみを感じたりといった経験は誰しもあるはずですが、それこそが魂がかつて自分とひとつだったことを思い出している状態です。
また、自分を中心に考えた場合だけでなく、人間は他の人の不幸に心を痛めたり、他人同士の争いを見てもその痛みを感じることのできる生き物。
それはかつて自分とひとつだったものが争っていることに対して悲しみを感じている状態です。
どんな人でも、自分と親しい人同士や、自分の家族兄弟が争っているのを見れば悲しいと思うはずです。
その痛みや苦しみを感じることがワンネスを理解する第一歩かもしれません。
3.ワンネスに対する誤解
ここまで説明すると、争いをなくし、他人と理解するということがワンネスだと考える人がいるかもしれません。
しかしワンネスというのはそういうことだけではありません。
ビッグバン以前の状態では、自分と他人という区別すらありません。
自分が他人を理解するとか、他人に自分を理解してもらうといった考え方の場合には、すでに自分と他人を区別している状態。
本当のワンネスとはまったく逆になってしまいます。
ワンネスとは、すべてがひとつだった原初の状態。
そこにはすべてがあり、まったくの区別はありません。
またワンネスの中には喜びや優しさといったものだけではなく、苦しみや悲しみなどといった負の存在も含まれています。
ワンネスを体験すると他人に対して優しさを持つことができると考える人がいますが、本当のワンネスとは、自分も他人も、喜びや苦しみもすべてが一体化している状態です。
4.ワンネスを体験体感する意味とは
苦しみや悲しみなど感じたくない、そんなことも知らなければならないワンネスに一体なんの意味があるのか。
そう思うこともあります。
それではワンネスを理解することには一体どんな意味があるのでしょう。
それは簡単に言えば、魂の状態を向上させることです。
例えば、とても美味しいごちそうが目の前にあるとします。
しかしそもそもそのごちそうを食べたことがなければ、それを美味しいものだと感じることもないでしょう。
だとするとそれを他人に分け与えることも簡単なはず。
しかし、一度でもそのごちそうを食べて、美味しさを知ってしまっても、簡単にそれを他人に分け与えることができるでしょうか?その貴重さを知っていて、なおかつそれを自分一人のものだけにしないこと。
それもひとつの魂の向上です。
そしてワンネスの中では、他人と自分とはひとつの存在。
誰かの魂の向上は、この世界すべての魂が向上することと同様です。
5.ワンネスを体験体感するためには?
ワンネスの体験体感のためには厳しい修行や瞑想が必要だと唱える人もいますが、個人でもできることはたくさんあります。
まず簡単なのは自然の中に身をゆだねること。
太陽や空、緑などをぼんやりと見つめる時間を作ってみましょう。
そうするとわずかでも、自然の中に意識が入っていく瞬間を体感できるはずです。
それこそがワンネスの状態。
自然と心が一体化したということになります。
またそれは自然と心だけに言えることではありません。
人間に備わっているのは心と体。
しかし、普段は心と体は切り離されていることが少なくありません。
つらい仕事でやりたくないことしているときなど、特にそうでしょう。
そういうときには家に帰って、リラックスできる時間を作ってみましょう。
そうして離れていた心と体が再びひとつになるのを感じる瞬間があるはずです。
分離しているものをもとの状態に戻すこともワンネスを感じるために必要なことです。
ワンネスについて学ぼう
ワンネスについて簡単にご紹介しました。
宇宙までさかのぼると話が大きすぎると思うかもしれませんが、考えてみれば人間は誰でも生まれてくる前にはお母さんと一体だったはずです。
まず日常生活や自分自身のことについて考え、感じてみること。
それがワンネスを実感する第一歩になるかもしれません。