花を贈る時に重視すべきは、見た目や香りもそうですが、花言葉にも注意を払うことです。
どれだけ美しく香りのいい花でも、好くない花言葉を持っていれば台無しです。
反対に、素敵な花言葉を持っていれば外見や香り以上の喜びをプレゼントすることができるでしょう。
今回は花言葉に「秘密」という意味を含む花をご紹介します。
一緒に秘密を共有したい時などに贈りましょう。
「秘密」を意味する花1:赤いプリムラ
プリムラ(Primula)は、サクラソウ科サクラソウ属。
冬~春に、赤、紫、白、ピンク、オレンジなどの花を咲かせます。
プリムラ(Primula)という花名は、早春に他の花に先駆けて花を咲かせるために、ラテン語で「最初の」を意味する「Primos」を語源として名付けられました。
バラの花のように美しいことから、英語では、「Primrose(最初のバラ)」と呼ばれます。
プリムラ全体の花言葉として「青春の恋」「青春のはじまりと悲しみ」があります。
多くの色があるプリムラのうち、花言葉に「秘密」を含むのは、赤いプリムラ。
赤いプリムラの花言葉は、「美の秘密」と「後援のない功績」のふたつです。
「後援のない功績」は、まだ雪の残る冬から早春にかけて、他の花々よりも早く、美しいバラのような花を咲かせることにちなんでつけられました。
「美の秘密」は、苦境でひとり努力して、誰よりも早く美しいバラのような赤い花を咲かせることにちなんで、美しさの秘訣は、そうした地道な努力にあるという意味でつけられたのでしょう。
「秘密」を意味する花2:オトギリソウ
オトギリソウは、オトギリソウ科オトギリソウ属。
7~8月にキレイな黄色の花を咲かせます。
原産地は日本、中国、朝鮮半島です。
オトギリソウの花言葉は、「秘密」「恨み」「迷信」「敵意」の4つ。
このうち、「秘密」「恨み」「敵意」という花言葉は、平安時代のある伝説に由来しています。
平安時代中期、晴頼という優秀な鷹匠がいました。
彼はある薬草を使って負傷した鷹を治していました。
他の鷹匠にこの薬草の名を聞かれても彼は頑として答えず秘密を守り続けたのです。
しかし或る時、晴頼の弟がうっかりこの薬草の秘密をバラしてしまいました。
これに激怒した晴頼は、弟を切り殺してしまったのです。
この伝説の薬草こそが「弟切草(オトギリソウ)」です。
この伝説にちなんで、「秘密」「恨み」「敵意」という花言葉がついたそうです。
「迷信」は、西洋の花言葉です。
西洋では、オトギリソウの黄色い花は魔力のつよい薬草だとされ、「聖ヨハネの草」や「中夏節の薬草」などと呼ばれています。
このような魔力がある、という迷信にちなんでついた花言葉であるとされています。
「秘密」を意味する花3:ミモザアカシア
ミモザアカシアは、アメ科アカシア属の花。
12~3月ごろの早春に沢山の小さな黄色の花を咲かせます。
「ミモザ」という名は元来、ミモザ・プディカ(オジギソウ)のことを指していました。
ところが、アカシア属の葉がミモザ属の葉と酷似しておること、花の形がミモザ・プディカに似ていることから、誤って呼ばれた名だったのです。
そんなミモザアカシアの花言葉は、「秘密の恋」と「友情」。
昔インディアンの若い男女のあいだで、愛の告白をする際にアカシア属の花を贈るという風習がありました。
これに由来してミモザアカシアには「秘密の恋」という花言葉がつけられました。
また、イタリアでは3月8日の国際女性デーを「ミモザの日」として、男性が日頃の感謝を込めてミモザを贈るという慣わしがあります。
恋人や家族に限らず、身の回りの女性にミモザを贈るので、この日のイタリアの街は、ミモザの黄色に覆われるのだそうです。
「秘密」を意味する花4:クレオメ
クレオメは、フウチョウソウ科クレオメ属。
7~10月ごろに桃色や紫系統の花を咲かせます。
和名を西洋風蝶草(セイヨウフウチョウソウ)と言います。
これは、クレオメの花の形が蝶の飛んでいる姿のように見えることに由来します。
また、英名は「Spider flower」と言いますが、これは蝶ではなく、足の長い蜘蛛のように見えたことが由来です。
花言葉は、「秘密のひととき」「あなたの容姿に酔う」「あなたの魅力を心に刻む」「思ったより悪くない」「舞姫」「小さな恋」「幸福」です。
「秘密のひととき」や「あなたの魅力を心に刻む」「小さな恋」などの花言葉は、クレオメの花が夕方から先始め、翌昼にはしおれてしまう儚い一日花であることからつけられました。
ほんのひとときの恋を存分に味わい、幸せを噛みしめる。
とてもロマンチックな花言葉がクレオメには多くあります。
「秘密」を意味する花5:ホトトギス
ホトトギスは、ユリ科ホトトギス属。
8~10月の晩夏~晩秋にかけて、斑点のある、紫、白、黄色の花を咲かせます。
学名は、「Tricyrtis hirra(トリキルティス・ヒルタ」と言いますが、和名の「杜鵑草(ホトトギス)」は、花に入っている斑点が、鳥のホトトギスの胸にある模様によく似ていることからそう呼ばれるようになりました。
別名を「油点草(ユテンソウ)」と言います。
これは、若葉に油じみのような斑点ができることからそう呼ばれるようになりました。
花言葉は、「永遠の若さ」「永遠にあなたのもの」「秘めた意志」「秘めた思い」です。
「永遠の若さ」と「永遠にあなたのもの」という花言葉は、ホトトギスが晩夏から晩秋までの寒く長い期間を、ひたむきに美しく咲き続ける強い生命力にちなんだものです。
「秘めた意志」や「秘めた思い」も、そのひたむきなことと、力強い生命力を表した花言葉でしょう。
「秘密」を意味する花6:ヒマラヤユキノシタ
ヒマラヤユキノシタは、ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属(ベルゲンア属)。
2~4月ごろの早春に、桃色か白の花を咲かせます。
和名の「ヒマラヤユキノシタ」は、ヒマラヤ地方が原産地であるため、寒さに強く雪が積もっていても雪の下で、強かに艶のある緑の葉を茂らせていることにちなみ、この名がつけられました。
花言葉は、「秘めた感情」「順応」です。
「秘めた感情」は、冷たく重い雪の下でも枯れることなく葉を茂らせ、ようやく雪が溶けて顔を出す早春には、可憐な桃色の花を咲かせて見せることから。
雪の下に秘められていた強く美しい命を表してつけられたのでしょう。
「順応」のまた、ヒマラヤユキノシタの強い生命力に由来します。
冷たく重い雪の下という過酷な環境に置かれても、ヒマラヤユキノシタは春になると美しい花を咲かせて見せます。
どんな環境下にあっても順応することができる、という意味の込められた花言葉です。
「秘密」を意味する花7:イキシア
イキシアは、アヤメ科イキシア属。
春の花で、赤、ピンク、白、黄、紫、オレンジなど、とても多彩です。
属名のイキシア(ixia)は、古いギリシャ語の「ixos(鳥もち)」が語源だとされています。
イキシアの茎は傷つけるとネバネバした液体が出てくるためです。
花言葉は、「秘めた恋」「誇り高い」「団結」「団結して当ろう」「協調」「粘り勝ち」「君を離さない」「人生の出発」です。
「秘めた恋」と「誇り高い」は、イキシアの人目を惹きつける可憐な花姿にちなんだものです。
「団結」「団結して当ろう」「協調」は、イキシアが、細く華奢な印象を受ける一本の花茎に、次々と美しい花を群生させる様子からつけられた花言葉です。
「粘り強い」「君を離さない」は、イキシアの特性である、茎を傷つけたときに出るネバネバした液体にちなんでいます。
花言葉で「秘密」を意味する花を知ろう
「秘密」と聞くと、やましいことを隠しているようで、あまり良いイメージは湧きませんよね。
しかし、花言葉に含まれる「秘密」はロマンチックな意味合いやポジティブな意味合いであることが多くなります。
「秘めた恋」や「秘密のひととき」といった花言葉を持つ花を、大切な恋人にプレゼントすれば、きっとあなたの気持ちが届くことでしょう。