「吊るされた男」は大アルカナの12番目のカードです。
T字に組まれた吊るし台に男性が逆さ吊りにされています。
初見では全く意味が分からないカードに思えるものの、実はこのカードは非常に示唆に富んでいます。
今回はそんな「吊るされた男」のカードが出た時の相手の気持ち等についてご紹介します。
1.吊るされた男について
今回はライダー版の絵柄を参照し、説明します。
まずは吊るされている人物ではなく、吊るし台に注目してみましょう。
吊るし台は伐採した木を材料にしており、普通ならば新しく芽や葉が出ることはありません。
しかしながら、カードの中の吊るし台の上部には、青々とした芽や葉が生い茂っています。
これはこの気がまだ生きている事、つまりは希望を表しています。
吊るし台は処刑に使われるものであり、その吊るし台に生命の息吹や、希望というものは不似合いなものに思われます。
続いて、男性に注目してください。
男性の表情はこれから死ぬ者とは思えないほど穏やかで、後光まで差しています。
足は4の字に曲げられており、これは十字架を表します。
笑顔で神に祈り、穏やかな表情で死んでいく、つまり彼は殉教者です。
今回はこの男性を殉教者として扱いますが、この男性の正体は他にも、修行者、北欧神話の主神オーディーンなど複数の説が存在します。