1.江戸の守り神、神田明神
東京都の千代田区にある神田明神は1300年の歴史をもつお社です。
正式名称を神田神社といい、天平2年(730)、武蔵国豊島郡芝崎村に大己貴命(おおなむちのみこと)が祀られたことに由来します。
その後天慶3年(940)に平将門公が関東で反乱を起こし、討伐されると、近くにその霊を祀る塚ができました。
これが現在の将門塚です。
そして大己貴命とともに将門公の胴体を祀るようになりました。
神田明神の「神田」は「からだ」が変化したものとも言われています。
江戸時代になると幕府の都市整備にともない、まず慶長8年(1603)に駿河台に移され、さらに元和2年(1616)に現在地に移されました。
江戸城からみると丑寅の表鬼門に鎮座することから、王城の守護神、江戸の総鎮守と位置づけられ、武士や庶民に親しまれてきたのです。
湯島につづく台地にあり、境内から東を眺めると神田や日本橋、さらには江戸湾が一望できたそうです。
坂の上の見晴らし茶屋は男女のお見合いの場としても利用されていました。
江戸三大祭のひとつである神田祭は神田明神の祭礼です。