蓮の花は、仏教に関係した花言葉が多くあります。
泥水の中から清らかで美しい花を咲かせる様子が、悟りの達した者の知恵の象徴とされているからと考えられます。
また良い行いをした者が、死後に極楽浄土に行き、蓮の上に身を置き生まれ変わるという考え方もあります。
一蓮托生と言う言葉は、蓮の上に生まれ変わることを表しています。
今回はそんな蓮の花言葉を解説します。
蓮の花言葉1:清らかな心
蓮の花言葉の代表的なものは「清らかな心」です。
これは蓮の花の咲き方に由来しています。
蓮の花は、泥水の中から茎が伸び水面より上にて花を咲かせます。
真水の中でも花が咲きますが、泥水の中で咲くよりも小さくなってしまい、泥水が濃いほどキレイで大きな大輪の花を咲かせることができます。
一蓮托生と言う言葉は、良い行いが死後に蓮の上に生まれ変わるという意味です。
その様な言葉に人生を当てはめると、泥水は人生における困難なことや逆境に耐え抜いた人の姿だと言えます。
困難に打ち勝ち、泥の中から水面より上に伸び花を咲かせたからこそ美しい花を咲かせ、人間的な進化、成長を遂げることができ、清らかな心を身に着けることで大輪の花を咲かせることができるのです。
清らかな心の仏を表す、素晴らしい言葉ですね。
蓮の花言葉2:神聖
仏教、ヒンドゥー教では蓮の花は神聖なものとして象徴されています。
そのため蓮の花言葉としても「神聖」という意味があります。
仏教では生まれたばかりのお釈迦様が歩き出した際に、足跡から咲き出したのが蓮の花とされています。
その上で天上天下唯我独尊と仰ったことにも由来し、インドやベトナムなどの仏教国では国花として使われています。
ヒンドゥー教ではクリシュナと言う神様の美しさを表し、蓮華の目を持つ者と美称として使われることもあります。
エジプトでも神聖な花とされ、ツタンカーメン王の墓の出土品のモチーフに蓮の花が用意られているなど、美しさと神聖さを表す花として古くから親しみ使われています。
蓮の花言葉3:沈着
蓮の花言葉には「沈着」という意味もあります。
沈着とは落ち着いて何事にも動じないという意味があります。
古代中国では、蓮の花の事を俗人に染まらない君子の花と称されていました。
君子とは、中国では学識・人格ともに優れている思想的な人格の事で、日本では聖人君子として知られている言葉です。
蓮の花は、泥の中で育ち水面より上に茎を伸ばし花を咲かせます。
その花は泥には染まっておらず、汚れるどころか美しい花を咲かせる点が理想的な成長の仕方と考えられてきました。
そのことから蓮の花は君子の花と呼ばれています。
君子はいつも、冷静沈着に物事を判断します。
社会の荒波に飲まれないように成長し、俗性的なことに染まらないように立派な大人になると意味合いになります。
そうした事から、蓮の花を贈ることは相手が素敵な大人であることを示すことになります。
蓮の花言葉4:休養
蓮の花は開花した日から3日間しか咲きません。
その内のリズムは早朝から花開き、午後になっていくにつれてゆっくりと閉じていきます。
規則正しく開花する1日の流れを正しい生活の流れを表している花です。
夕方や夜は人にとっても花にとっても休養を行う時間ということです。
休養を必要とするのは何も病気などになった時だけではありません。
日々の生活の中で規則正しい生活リズムを作り、夜は遅くまで起きずすぐに眠りにつき休養をとる事が必要です。
病気になってからの休養ではなく、蓮のように規則正しい生活を送ってほしい時にも蓮の花を贈ってみましょう。
蓮の花言葉5:雄弁
「雄弁」という花言葉は西洋のエジプトから来ています。
エジプト神話に登場するオシリスは植物神でもあり、大変雄弁であるとされます。
このオシリス神に蓮を献上したことから「雄弁」という花言葉が加えられました。
雄弁の意味は、力強くしゃべり、よどみないその言葉で人々に心を動かすという意味があります。
そのため何かプレゼンテーションなどが近い内にある人に蓮の花を贈ると、それの成功を祈るという意味合いになります。
オシリスは話術が得意で民に様々な穀物の作り方を教え、人々に大きな影響を与えた存在として有名です。
蓮の花は古代と歴史に古くから関わっている花なのです。
蓮の花言葉6:離れゆく愛
蓮の花には少々マイナスなイメージの言葉もついています。
蓮の花は夏の間の短い期間のみにしか花開かず、開花して1日で早朝から閉じ始め、散り始めるのは4日後と大変早く、花びらが1枚1枚散り始めます。
そうした様子から離れゆく愛という花言葉が付けられました。
この言葉一つで悲しい情景が浮かんできてしまいます。
大輪の花を咲かせるからこそ、早く儚く散ってしまうということでしょう。
恋愛感情のある相手に対しては、蓮の花を贈ることは避けましょう。
蓮の花言葉7:救ってください・救済
仏教から来ている花言葉として「救済」という意味もあります。
お釈迦様の教えとして「人生は苦しみである。苦しみ無しには人は悟ることはできない。」とおっしゃったことから来ている言葉です。
悟りを開くためには仏の世界で苦しみがあったこそ、人の心が分かり悟ることができます。
単純な言葉ですが、お釈迦様の教えが端的に表れている花言葉です。
泥の中から這い出てきて、泥に染まらず咲くことができる、花開いた蓮は悟りを開いた人を象徴する花と言うことですね。
8.ピンクの蓮の花言葉
蓮の中では最もポピュラーで親しまれている色はピンクです。
ピンクの蓮には、「信頼」と言う花言葉があります。
濃い色でも薄い色でもピンク色の蓮は、派手過ぎず和かで暖かい色をしていますね。
そんな、どこかゆったりと眺めていることができ、暖かな気持ちで包み込んでくれるところから付いた花言葉です。
9.白い蓮の花言葉
仏教の経典である法華経は「正しい教えである白い蓮の花の経典」の漢訳での総称であり、漢訳を合わせて様々なものがあります。
ここから白い蓮の花を「純粋」や「潔白」といった花言葉で表す様になりました。
白色のイメージから白い花は汚れがなく、泥の中から高く伸び咲く様子として、清純さを表し法華経と結びついたとされています。
白い蓮の花にしっかりと合っている言葉ですね。
10.赤い蓮の花言葉
赤い蓮はどちらかと言うと紅色に近い色をしており、「紅蓮華(ぐれんげ)」と呼ばれています。
なかなか見ることのできない色で、ヒンドゥー教では神様と結びついてたびたび登場し高貴で神聖なイメージを与える色の花です。
ヒンドゥー教の神様、ヴィシュヌ神と共に描かれ、最高神として位置して物質世界を維持管理している神様でもあります。
ヴィシュヌ神は蓮華の座にある主たる梵天という言葉で表されており、蓮の花に座り宇宙を作り維持していくという意味で、ヒンドゥー教では大変重要な花とされます。
11.青い蓮の花言葉
青い蓮は青蓮華(しょうてんげ)とも呼ばれており、現実には蓮に似た睡蓮に青色の花はありますが、青い蓮は存在していません。
青蓮華の花言葉は「知恵」「知性」です。
仏教の経典では仏の半眼を象徴するものとして青蓮華と称されています。
お釈迦様の弟子の一人に阿難と言う方がおり、そんな阿難さんのを汚れのない高潔な心と賢さを併せ持った人で、その方の澄んで汚れのない瞳を称してこの言葉が付けられたと言われています。
青色は国によっては、高貴な色合いとされており神様との繋がりの深い蓮の花にしっかりと合っている花言葉ではないでしょうか。
蓮の花言葉を知ろう
蓮の花の出生地はインドであり、仏教に結びついた花言葉と教えがたくさんあります。
夏に見ごろを迎え、満開の時期を見ることができるのは限られた期間だけですので、蓮の花をぜひ見に行き、困難な状況から咲き出て素晴らしく花を咲かせる様子を見てみましょう。
プレゼントとして贈るのではなく、一緒に見に行こうと誘う形でも相手に気持ちは伝わります。