白くて可憐な花を咲かせるハナミズキ。
有名なJ・POPの題名としても有名ですが、この花の花言葉を知っている人は、意外に少ないはずです。
今回は、春に美しく花開く、ハナミズキの花言葉をご紹介します。
ハナミズキの花言葉1:「私の想いを受け入れて」
ハナミズキの花言葉は、ロマンチックな実話がもとになっています。
1912年、東京がまだ「東京市」だった時代。
市長の尾崎行雄が、アメリカへおよそ3000本の桜の苗木を送ります。
実は、親善の目的でアメリカへ贈られた桜は、これが2回目でした。
1910年に贈られた桜の苗木は、公開中に虫の被害に遭って焼却されてしまったのです。
しかし尾崎市長はその不運に屈せず、2年後に再びアメリカへ桜の苗木を送りました。
結果は大成功をおさめます。
そして3年後、桜の返礼としてアメリカから60本のハナミズキの苗木が贈られてきました。
贈ったのは、アメリカ合衆国大統領であるウィリアム・タフトです。
この60本のハナミズキこそが、日本最初のハナミズキとなったのです。
尾崎市長は、2年をかけて虫の被害に強い桜の品種を探し、アメリカへ寄贈しました。
この強い思いが、3年後に美しいハナミズキの返礼として返ってきます。
とても素敵で、ロマンチックな逸話です。
このためハナミズキには、「私の思いを受け入れて」という花言葉がつけられました。
誰か一人の人を思う気持ちが、ハナミズキの美しい姿に立ち現れているような気がします。
ハナミズキの花言葉2:「返礼」
ハナミズキの花言葉には、もう一つ「返礼」もあります。
これも、先ほどご紹介した日米親善のエピソードにちなむ花言葉です。
大統領・ウィリアムが贈ったハナミズキのように、心のこもった素敵な返礼を表しています。
ちなみに、当時アメリカから贈られたハナミズキは、白が40本、ピンクが40本だったそうです。
今現在、このハナミズキはほとんどが枯れてしまい、残っているものはたった1本しかありません。
それは東京都の「都立園芸高校」内にあり、2015年には100年祭りとしてメディアにも大きく取り上げられました。
さて、日米親善に関するエピソードには、まだ続きがあります。
実は、尾崎市長が1912年にアメリカへ贈った桜は、100年以上たった今もキレイに咲き誇っているそうです。
その場所は、アメリカの首都・ワシントン。
ここでは毎年「全米桜まつり」という大きなイベントが行われているのですが、このイベント最大の見どころがボトマック川の桜並木であり、この桜こそ、尾崎市長が1912年に寄贈した桜です。
このエピソードこそ、ハナミズキの3番目の花言葉である「永遠」の由来・・・と思われがちですが、実は違います。
ハナミズキの花言葉3:「永遠」
「永遠」の花言葉の本当の由来は、キリスト教の始祖であるイエス・キリストが関係しているのだそうです。
皆さんは、イエス・キリストが磔にされたときの十字架の木の名前をご存じでしょうか。
そう、それがまさにハナミズキでした。
遠い昔のハナミズキは、今と違い、真っ直ぐに生え、背が高く、太くてたくましい幹を持っていたのです。
それが、悲しい役目を負う原因になってしまいました。
ハナミズキの花言葉である「永遠」は、ハナミズキで作られた十字架で磔にされたイエス・キリストがのちに復活し、永遠の存在になったことに由来しています。
可憐なハナミズキに、かくも壮大な逸話があったとは驚きです。
ハナミズキは、イエス・キリストと非常に関係性の深い花であることがわかりました。
しかし、エピソードはまだ続きます。
ハナミズキが、イエス・キリストの十字架の材料にされてしまったことを嘆いていると、復活したイエス・キリストが現れ、ハナミズキを労りなぐさめました。
そして、イエス・キリストはハナミズキの姿形を変えてくださいました。
真っ直ぐだった幹は柔らかく曲がり、枝も細く、決して大きな背丈まで育ちません。
それが、今我々が見ているハナミズキの姿です。
ハナミズキの花言葉4:「耐久」
先程のイエス・キリストの逸話によって、ハナミズキには「耐久」という花言葉も付与されました。
ハナミズキの十字架に磔にされたイエス・キリストは、想像もつかないような苦しみに耐えながら、数々の罰を受けました。
そのエピソードが、ハナミズキの花言葉「耐久」の由来になっています。
さらに、ハナミズキの花はイエス・キリストが磔にされた時の姿、そのものを表していると言われています。
ハナミズキの花をよく見てみましょう。
花弁は、イエス・キリストが磔に差されたときに流した血で赤く染まっています。
その血液は十字架の形に4方向へ流れており、その先には磔の釘の跡があります。
極めつけに、花の真ん中にはキリストが頭に被せられていたイバラの冠があります。
ハナミズキは、イエス・キリストの悲しみを全身で表現している花木です。
花言葉「耐久」と「永遠」は、イエス・キリストの苦しみを今に伝える、ハナミズキの献身的な一面をあらわしています。
ハナミズキを見る目が、大きく変わりそうですね。
ハナミズキの花言葉5:「durability(永続)」「love undiminished by adversity(逆境に耐える愛)」
ご説明した通り、ハナミズキは海外から持ち込まれた品種です。
そのため、海外での花言葉もあります。
紹介していきましょう。
一番有名なのは、「durability」という「永続」「耐久性」を意味する花言葉です。
これは、先ほどご説明したイエス・キリストの逸話がもとになっています。
しかし、その他の2つはどうでしょうか。
「love undiminished by adversity」これは「逆境に耐えることができる愛」を意味します。
なぜこういった花言葉ができたか詳細は不明ですが、イエス・キリストが復活し、人類に永遠の愛を説いたことに由来していると考えられています。
様々な困難を乗り越えながら布教を続けたイエス・キリストは、逆境を乗り越えた人物として名高いです。
そのことから、どんな困難にも屈することなく貫くことができる愛情を、ハナミズキに託すようになったのでしょう。
恋愛にくじけそうになったときは、ハナミズキのけなげなエピソードに思いをはせ、自分を鼓舞するのも良いかもしれません。
ハナミズキの花言葉6:「Am I indifferent to you?」
この花言葉は、「私があなたを好きではないとでも思っているの?」というようなニュアンスです。
恋人からつれなくされた時や、気持ちを疑われたときに言いたい言葉の一つです。
自分がどれほど相手のことを思っていても、伝えようとすると難しい・・・そんなときもあります。
そんなときは、ハナミズキの花言葉を借りて、自分の気持ちを素直に伝えてみましょう。
この花言葉は、一番最初にご紹介した「私の思いを受け入れて」という花言葉にリンクしています。
愛する気持ちは、時に形にしなければ伝わりません。
日米親和のエピソードにもあるように、困難を乗り越えながら交し合った愛情の印は、永遠に残るものです。
そのことを胸に留めて、ハナミズキの花言葉を振り返ってみましょう。
まずは、自分から相手に気持ちを伝えることが第一です。
待っていても何も変わりません。
日米をつないだ桜とハナミズキのように、永遠のつながりを感じる愛を手に入れましょう。
ハナミズキの花言葉を知ろう
ハナミズキの花言葉をご紹介しました。
想像以上に深いエピソードをもつ花言葉だったと思います。
日米交流の逸話もロマンチックでしたが、イエス・キリストの悲しい由来も興味をそそるものでした。
可憐なハナミズキが背負っているものを考えると、見ている私たちも元気を貰えそうですね。