2.死後、人間はどうなるのか
死んだ後、私たちの行き先は六通りの世界に分かれます。
これを「六道」と言います。
人間は、この世の報いによってこの六道で生死を繰り返すとされています。
六種の世界とは、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道。
一つひとつみていきましょう。
まずは地獄道。
罪を償わせるための世界で、最も苦痛の激しいところであり、さまざまな苦しみを受けます。
つぎに餓鬼道。
欲望にあふれた世界です。
ここでは食べ物や飲み物を口に運ぶと炎となり、飲食ができません。
餓えと渇きに悩まされます。
ここから抜けだそうとしてさらに罪を重ねてしまいます。
三つめは畜生道。
動物界の弱肉強食の恐怖におびえ、お互いに傷つけ合います。
本能のみで生きているため、自分だけが救われればよいとします。
以上の三つの世界が苦しみの激しい世界とされ、「三悪道」と呼ばれます。
四つめは修羅道。
ここでは怒りに我を忘れ、闘争にあけくれます。
独善的な世界です。
そして人間道。
ここに今の私たちがいます。
四苦八苦の苦しみがありますが、楽しみもありますね。
また、唯一自力で仏教と出会える世界でもあります。
最後に天道。
人間より優れた存在である天人の住む世界です。
寿命が長く、苦しみより楽しみのほうが多いですが、やはり生病老死があります。