切ないを意味する花4:キンセンカ
キンセンカも遊園地や公園などによく咲いているのを見かけ、多くの人に楽しまれているお花ですね。
その色は、オレンジ系、黄色系などのいわゆるビタミンカラーで、この色が、私たちに元気をくれる花といえるでしょう。
そんなキンセンカですが、その花言葉は、「寂しさに耐える」、「悲嘆」、「別れの悲しみ」など、元気の素とはかけ離れた物悲しいものです。
それは、ギリシャ神話に由来しています。
水の精クリティは太陽神アポロンに恋心を抱いていましたが、アポロンにはレウトコエ王女という恋人がいて、クリティの想いは悲しい片思いのままでした。
アポロンを思うあまり、クリティの恋心は、次第にレウトコエ王女への嫉妬や妬みへと変わっていきクリティは王女の父に密告をしてしまいます。
そのことには腹を立てた父は、王女を生き埋めにしてしまうのですが、そのことを知ったクリティは、後悔の念に苦しみます。
一方で、アポロンへの想いは捨てられず、9日間地面に座ったままアポロンを見つめていると、クリティは、黄金のキンセンカへと姿を変えてしまったのです。
黄色やオレンジの元気な花の色からは想像できない悲しい切ない物語ですね。
自分のやってしまったことに悔やみがらも好きな人のことはあきらめきれない、なんともこの切ない感情は、昔も今も変わらないのですね。