1.平和の象徴 オリーブ
ピクルスやオリーブオイルなど、観賞用よりも食用としての方が有名なオリーブ。
平和の象徴となったきっかけは旧約聖書です。
旧約聖書は、世界の成り立ちの物語である創世記から国々の歴史、戒律、預言書や詩歌をまとめた内容になっており、ユダヤ教やキリスト教の聖典として広く知られています。
ストーリー性がある点などから、「アダムとイブ」や「バベルの塔」など宗教画になっている作品も多いです。
そんな旧約聖書の中のエピソードに、ノアの箱舟というものがあります。
神が人を造り、人が徐々に増えてきた頃のことです。
神が堕落した人々に失望し洪水によって人々を滅ぼすことを決めました。
「神と共に歩んだ正しい人」であるノアに、神は箱舟の建設を命じます。
ノアは建設が終わると、自分の家族と全ての生き物を乗せて40日に及ぶ洪水をしのいだのでした。
40日が過ぎた頃、ノアは洪水で沈んだ世界の様子を探るべく、鴉や鳩を放ったものの停る所がなくすぐに戻ってきます。
その7日後同じように鳩を放すと、鳩はオリーブの葉を咥えて戻ってきたのです。
ノアはその鳩を見て洪水の水が引いた事を悟り、箱舟を出ました。
このように世界が落ち着いた事を知らせたものであるオリーブと鳩は、この話から平和を表す象徴となったのです。
オリーブは花言葉としても「平和」が付けられました。
現在オリーブの葉は、国際連合の旗などに用いられています。
オリーブを平和の象徴と捉えるのは、今や世界共通の認識になりつつあります。