6.愛の助けを欲する花 黄色いスイセン
黄色いスイセンの花言葉は、「もう一度愛して」「私のもとへ帰ってきて」という、切ない恋心を表しています。
愛した人に再び助けてもらいたい、という悲しみを意味する黄色いスイセンですが、この花言葉の由来は、有名なギリシャ神話が由来とされています。
それはこんな話です。
森の精霊・ニンフは、一人の絶世の美少年ナルキッソスに恋い焦がれます。
しかし彼は冷たい態度で突き放します。
屈辱に苛まれたニンフは恋の苦しみから逃れられず、肉体を無くし、声だけの存在になり果ててしまいました。
その惨状をみた女神・ネメシスはナルキッソスに呪いをかけます。
それは、水面に映る自分の姿に恋をしてしまう呪いでした。
ナルキッソスは自分自身の美貌に恋をしますが、水面に反射する彼の姿と、思いを通じ合うことができません。
絶望に打ちひしがれ死んでしまった彼の体は、スイセンに生まれ変わります。
そのためスイセンは、水面をのぞき込むようにうつむいて咲いているそうです。
両者とも、望みのない恋を前にして「助けて」と何度叫んだことでしょう。
神話に思いをはせると、スイセンを見る目が少し変わるような気がしてきます。