4.別れやなぐさめの花 ミヤコワスレ
ミヤコワスレは、「しばしのなぐさめ」「別れ」など、悲しい花言葉を持っています。
悲痛に助けを求めるこれらの花言葉の由来は、鎌倉時代の順徳天皇の逸話に由来します。
承久の乱で敗れた順徳天皇は、佐渡島へ流罪を言い渡されます。
佐渡で孤独な日々を送っていた順徳天皇は、誰かの助けを一心に望んでいたことでしょう。
そんな彼の前に、ミヤコワスレの花が咲きます。
白くかわいらしい花々を咲かせるミヤコワスレの姿に、順徳天皇はしばしの間、都への思いを忘れられたと言います。
これがミヤコワスレの名前と、花言葉の由来です。
ミヤコワスレの可憐な姿は、たしかに見る者の心を癒してくれます。
順徳天皇のような失意の中にあっても、「私を助けて」という悲願は一時忘れ去られるのです。
厳密にいえば、ミヤコワスレは「助けて」という花言葉ではありません。
しかし、ミヤコワスレの花言葉は「しばしのなぐさめ」であり、「永遠のなぐさめ」ではありません。
ミヤコワスレの花がもたらす癒しの効果もいずれは消滅します。
そのとき、私たちは再び「助けて」という嘆きに苛まれることでしょう。
そのため、あえてミヤコワスレを「助けて」を意味する花としてご紹介しました。