「束縛」という言葉を聞くと、マイナスなイメージを持つ人がほとんどです。
そんな花言葉を持つ花をうっかり贈ってしまうと、相手を困惑させてしまうかもしれません。
今回は、花言葉で「束縛」を意味する花を紹介します。
束縛を意味する花1.ジシバリ
ジシバリはキク科の多年草で、春から初夏に黄色い花を咲かせます。
タンポポに似ていますが、花や葉の形から区別することができます。
日本全国に分布しており、公園や道端、ときにはアスファルトやコンクリートの隙間など、至る所に生息しています。
茎を切られても、一部が残って入ればそこからまた伸びてきます。
一般的には雑草として迷惑がられる存在です。
強い繁殖力を持つジシバリは、節から根を出しながらどんどん広がっていき、地面を這って覆い尽くしてしまうことがあります。
その様子が、まるで地面を縛っているように見えることから、ジシバリ(地縛り)という名前が付きました。
別名「イワ二ガナ」と呼ばれていますが、これは岩だらけの場所に生息する苦い汁を出す植物という意味だと言われています。
ジシバリの花は可愛らしいですが、どこでも生きていける逞しさを持った花です。
そんなジシバリの花言葉は「束縛」です。
ジシバリの最大の特徴である、地面を縛るように増えていく様子から付けられたものです。
束縛はネガティブなイメージがある言葉ですが、掴んだら離さないジシバリの逞しさは見習いたいものがあります。
束縛を意味する花2.バラ(黒)
バラはプレゼントに最も利用されている花と言っても過言ではありません。
品種改良が盛んで、4万種類以上の品種があると言われています。
カラーバリエーションも豊富で、花の色によって異なる花言葉が付けられています。
黒色の品種もいくつかあり、「黒真珠」や「ブラックバカラ」という品種が有名です。
独特な雰囲気が唯一無二の存在感を放ちます。
バラの一般的な花言葉は「愛」「美」です。
愛を表す言葉が多いのが特徴で、色別にみても赤は「愛情」、白は「私はあなたにふさわしい」、ピンクは「愛の誓い」という言葉が付いています。
一方で、黒いバラには「束縛」「あなたの全ては私のもの」という花言葉が付けられています。
他の色同様に愛を表したものだと思いますが、想いが強すぎて怖い印象があります。
愛し合っている者同士であれば、贈られて嬉しく感じるかも知れません。
しかし、少しでも温度差が感じられる場合や片思いの相手に贈ってしまうと、非常に重く感じてしまうので避けた方が良いでしょう。
さらに黒いバラには「憎しみ」「恨み」と言った花言葉もあるため、贈るときには十分気を付けたい花です。
束縛を意味する花3.テッセン
テッセンはキンポウゲ科の多年生で、春から初夏に開花期を迎えます。
クレマチスのことをテッセンと呼ぶことがありますが、テッセンは中国原産の原種の一つを指します。
テッセンは壁やフェンスなどにつるを伸ばして広がり、草丈は3メートルに達することもあります。
一面に広がったつるに大きな花をたくさん咲かせる様子は見事なものです。
花の色は白や紫、赤、ピンクなどがあります。
テッセンは「鉄線」と表記されたり、別名「鉄線葛」と呼ばれたりしますが、これはつるが鉄のように強いことに由来します。
テッセンの花言葉は「甘い束縛」「縛りつける」です。
これは強いつるを伸ばして成長していくというテッセンの生態に由来しています。
この他に、清らかな花姿から「高潔」という花言葉もつけられています。
テッセンの花姿や由来を鑑みると、「甘い束縛」や「縛りつける」という言葉も力強くてポジティブなものに感じますね。
束縛を意味する花4.ヤマホタルブクロ
ヤマホタルブクロはキキョウ科の多年草で、6〜8月に赤や紫色の可愛らしい花を咲かせます。
道端などに生息する山野草で、華やかさはありませんがなんとも風情を感じさせる花です。
日本の固有種で、本州に広く分布しています。
ホタルブクロの変種とされており、萼片の形が違うことから見分けることができます。
花の形が特徴的で、円筒形の花が下向きに垂れ下がって咲きます。
花姿が釣鐘や提灯をぶら下げているように見えることから、別名「ツリガネソウ」、「チョウチンバナ」とも呼ばれています。
また、梅雨の時期に咲くことから「アメフリバナ」とも呼ばれます。
ヤマホタルブクロという名前の由来は、子供達が袋のような花に蛍を入れて遊んだからという説と、提灯のことを古くは火垂(ほたる)と呼んでいたからという説があるそうです。
そんなヤマホタルブクロの花言葉は「激しい束縛」です。
花言葉の由来は不明ですが、袋状の花の中に蛍を閉じ込めたということから付けられたのではないでしょうか。
閉じ込める良いう行為は束縛を通り越して、もはや監禁です。
見た目が可憐で奥ゆかしい花ですので、とてもギャップを感じる花言葉です。
束縛を意味する花5.イカリソウ
イカリソウはメギ科の多年草で、春に白やピンク、紫などの小さな花を咲かせます。
世界に広く分布している植物で、日本には6種類程の原種があると言われています。
花の形が独特で、下向きに垂れ下がった花を咲かせ、その4枚の花弁からは距と呼ばれる突起物が突き出しています。
この形が、まるで船の碇のようであることからその名が付けられました。
海外ではこの花の形を「司教の帽子」や「妖精の羽」と表現したりします。
イカリソウの花言葉は「君を離さない」「あなたを捕まえる」です。
碇がしっかりと海底を捕らえて離さない様子を連想した言葉だそうです。
好意的な言葉にも思えますが、束縛したい気持ちを表す言葉にも感じます。
実は、イカリソウには精力剤としての効果あり、現在でも「淫洋雚」という生薬として利用されています。
そういった背景からも、独占欲や執着心を感じさせる花言葉が付いたとも考えられます。
イカリソウは贈る相手との関係性によって、諸刃の剣となる可能性がありますので、十分に気を付けたい花です。
束縛を意味する花6.アイビー
アイビーはウコギ科の常緑つる性植物で、建物の壁やフェンス、崖などいたるところで目にすることができます。
見た目の可愛らしさと育てやすさから、観葉植物として人気があります。
品種も豊富で葉の形や大きさ、色にもバリエーションがあり、紅葉の色合いも違ってくるそうです。
観葉植物としてだけではなくブーケやフラワーアレンジメントにも人気です。
アイビーはつる性という生態から、人と人を結びつけるような花言葉が付けられています。
花言葉には「結婚」「永遠の愛」といった愛を表す言葉や、「友情」や「誠実」といった素敵なものがあります。
結婚式で使用するのにふさわしい花言葉です。
実はアイビーには「あなたを離さない」という花言葉も付いています。
これはアイビーがつるを伸ばして絡みついている様子に由来しています。
愛を誓い合う言葉としては、一方的で少し怖い感じがします。
受け取る相手によっては束縛として受け取られることもあるでしょう。
アイビーは繁殖力が強く、大きな建物を覆い尽くしてしまうこともあります。
壁面にたくさんの小さな根を張るため、完全に除去するのが難しいそうです。
その様子を思い浮かべると、ぴったりな花言葉にも思えますね。
花言葉で「束縛」を意味する花を知ろう
花言葉で「束縛」を意味する花を紹介しました。
贈る相手によっては重く捉えられてしまうので、相手との関係性をよく考える必要があります。
よほどの理由がない限り、避けたほうが無難かもしれません。