不安な気持ちはふとしたきっかけで誰にでもやってくるものです。
今回は「不安」にまつわる花言葉を持つお花をご紹介します。
疲れたときは植物に癒しを求め、静かに心を落ち着けて過ごすのもいいですね。
身近なお花でも、種類によって様々な花言葉を持っていますので、新たな発見があります。
不安を意味する花1.深紅のゼラニウム「憂鬱」
ゼラニウムはフウロソウ科の花で、南アフリカが原産です。
ペラルゴニウムという学名がついていますがこれはギリシア語の「pelargo(コウノトリ)」から来ています。
ゼラニウムの実が鳥のくちばしのように細長い形をしていることにちなんでいます。
また、葉がアオイに似ていることから和名では天竺葵と呼ばれています。
赤・白・ピンク・深紅・黄・黒紫など色味が豊富で、中には2色咲きの鮮やかな品種もあります。
花言葉には「尊敬」「信頼」などがありますが、品種が多岐にわたるゼラニウムは花の色によっても花言葉が存在します。
深紅のゼラニウムの花言葉は「メランコリー(憂鬱)」です。
これはゼラニウム特有の青臭い匂いから来ていますが、ヨーロッパではこの特性を利用してゼラニウムの鉢植えを虫よけに利用しています。
香りに特徴のある植物で、品種によってはバラ・レモン・イチゴなど様々な香りも楽しめます。
多くの種類がありハーブやアロマオイルに利用されるものもありますし、初心者にも育てやすく、気軽にガーデニングで楽しむことも出来ます。
不安を意味する花2.オシロイバナ「臆病」
オシロイバナ科の花で、南アメリカが原産です。
漢字では「白粉花」と書きますが、花の名前は、種の中にある白い胚乳がおしろいに似ていることにちなんでいます。
夕方に花を咲かせ、良い香りを漂わせるので夕化粧という別名もあります。
人目の多い日中を避けるような開花時間から、花言葉には「臆病」「内気」などがあります。
夏から秋にかけて紅・黄・ピンク・白・紫などの花を咲かせます。
夕方に開花した花は翌日の午前中にはしぼんでしまいますが、開花期中は次々と新しい花が咲きます。
一つの株から異なる色の花を咲かせることもあり、毎日違った表情を楽しむことができるので見ていて飽きのこない多彩な花です。
繁殖力が強く、道端にも広く自生する植物ですのですぐご近所でも出会えるかもしれません。
丈夫な性質で育てやすいので、日当たりと水はけのいい土が用意できればガーデニングにもオススメです。
不安を意味する花3.トリトマ「恋する辛さからの不安」
ツルボラン科の花で、南アフリカが原産です。
初夏から秋にかけて花を咲かせ、高さは1~2メートルほどにもなります。
蕾の状態では橙・赤色をしており、咲くと黄・白などに変化する様子が楽しめます。
長い茎の先に小さな花が集まって咲く花穂姿とその色から松明にたとえられることが多いです。
「Torch lily(松明の百合)」「Red hot poker(赤く焼けた火かき棒)」と言われたり、和名では赤熊百合(シャグマユリ)とも呼ばれます。
花言葉は「恋するつらさ」「あなたを思うと胸が痛む」などです。
恋は楽しいばかりではなく、時には切なく大きな不安に襲われることもあります。
身をよじるように立つ茎の姿からこの花言葉がついたと言われています。
他にも「切実な思い」「情熱家」「あなたは私を楽しませる」などの意味も表します。
様々な花言葉がつけられていますので、特に恋する方にはしっくりとくる花言葉が見つかるかもしれません。
不安を意味する花4.ユウガオ「夜」
ウリ科の花で、北アフリカなどが原産とされています。
夏の夕方に花を咲かせますが、翌日の午前中にはしぼんでしまいます。
この様子から黄昏草という別名もあります。
開花時間やその短さから、花言葉には「夜」「はかない恋」などがありますが、他にも「逆境を克服する力」という意味も込められています。
暗く静まる夜は不安感も募りやすいですが、そんな時お供にユウガオの花はいかがでしょうか。
花の色は白く、大きな実をつけることも特徴です。
大きな分類では、実の見た目からナガユウガオとマルユウガオに分けられます。
マルユウガオの実を帯状にして乾燥させるとかんぴょうとなります。
また、源氏物語や枕草子など古い書物に登場することでよく知られています。
他にも開花時間にちなんでアサガオ・ヒルガオ・ヨルガオといった植物がありますが、これらはヒルガオ科の植物に分類されています。
不安を意味する花5.フジバカマ「ためらい」
キク科の花で、日本・朝鮮半島・中国が原産です。
袴のような藤色の花をつけることからこの名がついたと言われています。
夏から秋にかけて花を咲かせます。
茎の先に5ミリほどの小さな花が房状にたくさん集まり、その色は紫・青・ピンク・白など様々です。
茎と葉は半乾きの状態でサクラの葉のような香りをさせるので、香草という別名もあり中国でも香り袋などの用途で利用されていました。
花言葉は「ためらい」の他に「遅れ」などがあります。
これは、ゆっくりと少しずつ花を咲かせる姿からちなむとされています。
その特徴的な香りから古今和歌集などの古い歌集に登場していますし、秋の七草のひとつとして観賞用にもよく知られています。
このように日本でも古くから親しまれている植物ですが、現在は準絶滅危惧種に含まれており、自生する姿は少なくなっています。
不安を意味する花6.ホテイアオイ「揺れる心」
ミズアオイ科の水生植物で、南アメリカが原産です。
ホテイソウ・ウォーターヒヤシンスとも呼ばれます。
水面に浮かぶ葉の緑と、白・青・紫の花が鮮やかで涼しげに揺れます。
膨らんだ葉の付け根が浮き袋の役割をしており、これが七福神の布袋袋に見立てられたことが名前の由来と言われています。
メダカの飼育用に広まった水草の一つで、装飾哺乳類のエサにもなっています。
美しく咲く花はもちろん、葉にも特徴があり斑模様が入ったものもあります。
花言葉は「揺れる心」の他に「恋の悲しみ」などがあります。
寒さに弱い反面、急激に増えて漁業の妨げになることもある為「青い悪魔」とも呼ばれるほど繁殖力の高い植物です。
その素材は家具・雑貨類の材料にも利用されることもあります。
不安を意味する花7.クリスマスローズ「私の不安を和らげて」
キンポウゲ科の花で、ヨーロッパ・西アジアが原産です。
バラ科の植物ではありませんが、日本ではヘレボルス属の花を総称してクリスマスローズと呼んでいます。
花の少ない時期にバラのような美しい花を咲かせることからこの名の由来が来ています。
名前の通りクリスマスの時期には店頭でもよく見かけます。
花の色は白・ピンクの他に紫・緑・黒等シックな色合いも多いです。
少し俯いたような花姿が儚げで、一重咲きだけでなく、八重咲きの品種もあります。
その昔戦場へ向かう戦士が恋人に贈る花としていたなど、古くからヨーロッパの逸話にも登場する花でした。
また根や茎には毒がある事でも知られています。
そういったところから、花言葉には「私の不安を和らげて」の他に「私を忘れないで」「慰め」「中傷」などがあります。
グラデーションや斑模様の入った花びらもあり、様々な表情が楽しめます。
花言葉で「不安」を意味する花を知ろう
不安に関する花言葉を持つ植物をご紹介しました。
植物はどんな時もそばで静かに寄り添ってくれています。
人間の心情と同じように花言葉も多様です。
ポジティブなものばかりではありませんが、人それぞれその時の心情に合った花言葉を探してみるのもいいですね。
美しい花姿や、そこに込められた花言葉からお気に入りを見つけてください。