先負とは六曜の一つですが、大安、仏滅、友引などとは違いあまり聞き慣れません。
せんぶ、さきまけ、せんまけと読むのですが、急用や争い事、公事(訴訟など)は避け、静かに待つのが良いと言われています。
午前中は凶、午後は吉とされていると一般的には説明されています。
1.六曜とは
そもそも先負を含め、六曜とは何でしょうか。
六曜とは暦注の一つであり、カレンダーにも書かれていることが多いです。
先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の順番で割り振られて行きます。
ただし旧暦の一日は1月と7月は先勝、2月と8月は友引、3月と9月は先負、4月と10月は仏滅、5月と11月は大安、6月と12月は赤口と固定されています。
つまり旧暦では、月日によって六曜が決まってくることになります。
一方の新暦のカレンダーでは、規則正しく回っていた六曜が、ある日突然不規則になったりするなど、同一の日の六曜が年や月によって相違があることから、神秘的な印象を与えることもあります。
日常生活において六曜が影響してくることはほとんどありません。
七五三、結婚式、入籍、法事、引っ越しなど冠婚葬祭の日程を決める時に関わることがあります。
昨今冠婚葬祭の日程を決めるをするにしても六曜にこだわる人はほとんどいませんが、それでも大安、友引の日に結婚する人が多いです。
結婚する当事者はこだわらなくても親族の中にこだわる人がいたりします。
2.先負の意味とは
先負の意味は何事も冷静であり、先んじてはいけない日という意味です。
先勝とは逆の意味なので午前中は大人しくしている方がいいのです。
「負」という文字がついているので縁起が悪い日のようにも思えますが、昔は「小吉」「周吉」と言われており、吉日だったのです。
ところが「先負」という漢字を当てられてしまったことから、午前中は焦らずゆっくり、午後からは吉になるという解釈になってしまいました。
六曜が関わるところはほとんど冠婚葬祭が多く、日常生活で意識することはほとんどありません。
しかし宝くじを買ったり、公営競技をする場合には耳にしたり、目にしたりする機会があります。
もし縁起担ぎをするのであれば、先負の日に宝くじを買う場合も午前よりも午後の方がいいでしょう。
3.先負にやって良いこととは
先負の日は午後から吉日ですので、結婚式や引っ越しも午後から行うことができます。
入籍、七五三やお参り関係も同様でしょう。
逆に先んじてやらなくてもいい法事関係は、午前も午後も気にする必要はありません。
納車も争いごとや訴訟とは関係ないのでこの日にしても大丈夫です。
ところで争いごとや公事には向かない日と言われている先負ですが、宝くじを先負の日に買っても高額当選をした人がいるそうです。
4.先負にやって悪いこととは
先負は急用、争いごと、公事は避けないといけない日です。
訴訟など「何か守りたいもの」があるもののために争う場合はこの日にやってはいけないことになっています。
そうはいっても裁判は関係なく行われていますが…。
結婚式や引っ越し、入籍、お宮参りも午前中ではなく午後から行うといいと言われています。
何か新しいことを始めるのも午後からがいいということになっています。
ただ公的機関では六曜を採用していませんし、若い人には六曜自体を知らない人も多くなります。
先負の日に宝くじを買ったら高額当選したという人もいることから、六曜の意味する通りにできなかったからといってどうかなってしまうということはありません。
5.昔の人も先負など六曜にこだわっていたのか
友引の日に葬式はあげてはいけない、仏滅という言葉がるなど六曜は仏教と関係あるのかというと関係ありません。
中国から入ってきた六曜は室町時代から江戸時代にかけて盛んになりました。
先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口という順番ですが、もともと即吉、共引、周吉、虚亡、赤口という名称でした。
特に意味はなく月火水木金と同じような感覚で使っていたそうです。
江戸時代の博打打ちたちが縁起担ぎのために始めたのが始まりですが、次第に庶民の生活にも浸透してきました。
明治時代以降、六曜は迷信であるとし、政府は一切廃止しようとしました(それでも完全に廃することはできなかったようです)。
第二次世界大戦後は政府の統制は廃止されて、再び六曜は復活をするのですが、公的機関では現在も採用しておりません。
そうはいっても六曜は私たちの生活にも影響しているのは事実です。
普段の生活において六曜を意識した行動をとっているようには見えない人も、結婚式は大安がいいと気にする人はいます。
自分たちだけでなく多くの人を巻き込む冠婚葬祭においては六曜の存在を完全に気にしないということはまだまだ難しいのかもしれません。
先負の日にやっていいことと悪いことを知ろう
六曜は日常生活とはほとんど縁のないものになってきていますし、実際に仏滅に結婚式をあげたからどうかなるということはありません。
確かに冠婚葬祭で六曜を気にする人はいるので、完全に気にしないということは難しいかもしれません。
しかし先負という字面に目を取られて厄日なのではないかと思うより、意味と歴史を知り、六曜はいくつかのルールに基づきながら割り当てられていると思っていたほう気が楽です。