サクラのほころびと共にやってくる、3月下旬には卒業式がやってきます。
大切な誰かとのしばしの別れの卒業式は、特に学生にとっては大きなイベントでしょう。
他にも今いる組織や恋人との別れに際しても卒業という言葉がマッチします。
友人や恋人、恩師や、生まれ育った故郷への思いを胸に旅立つ若者の門出を飾るべく、とっておきの花言葉を持つ花を紹介します。
1.スイートピーの花言葉は「門出」「別離」「分別」「やさしい思い出」
涙をぬぐって友達との別れを惜しみ、再び会うことを誓って、それぞれの道を歩きだす。
そんな青春の1ページにぴったりの花がスイートピーです。
ピンクに紫、白に黄色など、色は実にさまざまな種類があり、たっぷりとしたフリル状の花弁は思わず触りたくなってしまうほどかわいらしい花です。
育てるのも難しくなく、よく花壇や庭で見かけたという人も多いのではないでしょうか。
元はイタリアのシチリア島の花で、イギリス王室の方々が好んだことから世界中に広まったとされています。
まるで色とりどりの蝶々が、つるに止まって休んでいるような華やかな姿と、麝香(ムスク)のような艶やかな香りが特徴です。
「門出」「別離」は花々を、今にも飛び立っていきそうな蝶々に例えた言葉です。
マイナスイメージがつきやすい「別れ」ですが、凛として飛び立つ姿に若者の姿を重ねれば純粋な祝福に繋がりますよね。
「やさしい思い出」もここに関係してきます。
ありし日の楽しかった思い出を、いつまでも忘れないという健気な誓いの言葉です。
また、黄色のスイートピーは「分別」という言葉も持っています。
別れの際に、いつまでも感傷的な気分を引きずっていては、次のステージに臨めません。
別れは痛みではありますが、心の成長痛です。
時にはきっぱりと過去の自分に別れを告げて旅立つことも大切です。
色をいくつか取り合わせれば、贈り主の真心も伝わることでしょう。
一本一本が華やかなので、贈るときにも余計な装飾はいりません。
花を損ねないやわらかなペーパーで包み、リボンで飾るだけで存在感を醸し出します。
時期的にも春の花で手に入れやすいのもポイント。
今回紹介する花の中では一番可憐で愛くるしいイメージを持ちます。
女性や子供へ贈るにはぴったりです。
また、スイートピーは「マメ科」です。
稀に咲き終わった後にマメができることがあります。
そこまで丁寧に持たせることができたら、素敵ですね。
新しい出会いへの予兆のようではありませんか。
2.アルストロメリアの花言葉は「友情」「凛々しさ」「未来への憧れ」
美しい色にちらばった斑は、まるで猫科の動物を思わせます。
見た目から何からエキゾチックなこの花は、一目で忘れられない印象を残すでしょう。
「スプレー咲」といい、一本の茎に6枚の花弁を持つ花が咲き乱れる様は、単体でも見ごたえがあります。
品種改良の結果、今ではなんと50種類もの品種が存在し、多種多様な色合いの花が咲き乱れるようになりました。
なので「あの人が好む柄」を見つけるのも難しいことではないのですよ。
南米原産のアルストロメリアは、発見者リンネが親友の名をつけたとして知られています。
そんなアルストロメリアの花言葉は「友情」です。
エピソードにふさわしい花言葉ですね。
学生時代の友情は尊く、得難いものです。
美しい関係性を祝うのにまさにうってつけです。
またその堂々と咲き誇る姿から「凛々しさ」「未来への憧れ」という花言葉もつけられました。
悲しみに泣き崩れるような「別れ」ではなく、未来ある若者が背筋を張り、それぞれの道へと歩みだすような光景が目に浮かぶようです。
思い出に浸るだけでなく、これからの成長を願って送り出す側にとってみれば、この花ほどふさわしいものもないでしょう。
例えば親や教師の立場から、我が子や生徒たちへ贈る場合、叱咤激励の意味も込められるのでオススメです。
南米ペルーのジャングルでも目立つ、大変強い花ではありますが、他の花々との取り合わせも良いために、フラワーアレンジメントも容易です。
また「持続」という花言葉が付けられるほど花の持ちが良いのもポイントです。
贈った相手が「入学」「就職」など、新たなイベントに挑むまで、やさしく花瓶で見守っていてくれることでしょう。
3.ライラックの花言葉は「思い出」「友情」「青春の喜び」「若者の純潔」
北海道の花見といえば、サクラやウメでなく、このライラックとされています。
北海道で有名なことで分かる通り、寒冷な地域に根付いて花房をつけます。
濃い紫色の小さな花々を、枝一杯に咲かせて春の訪れを教えてくれるこの花は、香りも高く香水の原料としても知られていますね。
花弁は通常4枚ですが、稀にある5枚の花を見つけると幸せになれるなんて言い伝えもある、素敵な樹木です。
咲き方もサクラのように一重や八重など、品種によって違いがあるため、より華やかさを演出したいときは後者を選ぶと良いでしょう。
蕾の頃は紫でも、開花後はピンクになるという驚きを提供してくれる品種もあります。
ちょっとしたサプライズですね。
ライラックそのものの花言葉は「思い出」「友情」です。
まさに学生生活の最後を飾るにふさわしい花ですね。
また白いライラックは「青春の喜び」という意味も持っています。
フランスで培われたイメージだそうです。
逆にイギリスでは白いライラックは悲恋にまつわるエピソードがあるのですが、ライラックの無垢な白は、切ないほどひたむきな若者の心を表しているともいえます。
勉強に部活動、文化祭に修学旅行、友達との会話や恩師との学び、淡い恋の思い出など学生の頃にしか育めない思いを、ライラックは静かに彩ってくれます。
他の花と違い、樹木なので、少し取り扱いが異なるかもしれません。
繊細な花茎が女性的な印象を与えるならば、こちらはユニセックスな雰囲気を持っています。
色も紫や白などクールな寒色系なため、花を贈られるのは躊躇しそうな男性相手でも、ライラックならば受け取りやすいはず。
また単色でストイックな魅力のあるライラックは、他の大輪の花との相性も抜群です。
バラやラナンキュラスなど、お互いを脇役にしないで引き立てあうことでしょう。
水をとにかく欲しがる花なので、給水にだけ気をつかってあげれば、長持ちさせることも叶います。
花言葉で「卒業」を意味する花を知ろう
「卒業」に関する花言葉をご紹介しました。
どれも華やかで素敵な見た目と花言葉を持つ、良い花ばかりでしたね。
慣れ親しんできた人々と別れ、新天地へと向かわなくてはならない「卒業」は、決して悲しいばかりでもなければ、楽しいばかりでもありません。
不安に揺れ動く若者の心にそっと寄り添うようなやわらかな花々は、彼らをきっと慰めてくれるでしょう。
今取り上げた花でなくとも、しばしの別れを祝福してくれる花言葉を持つ花は、まだたくさんあります。
お近くの花屋さんで詳しいことを教えてもらうといいでしょう。
きっと良い取り合わせをアドバイスしてくれます。