結婚式のような良い日には、仏滅を避けたほうが良いとよく聞きますよね。
しかし、仏滅の本来の意味を知らないまま使っている人もいませんか。
そこで、今回は仏滅の由来や意味、仏滅にやっていいこと、悪いことをご紹介します。
1.本来の意味の仏滅
「仏滅」は、この六曜の中で大凶日を意味します。
仏滅は、現在の解釈では何事もうまくいかない最凶日とされ、お祝い事をさけたりします。
また、仏滅に病気にかかると長く患うと信じられています。
しかし、細かくいうと本来の意味は違います。
では本来の意味を見ていきましょう。
他の六曜の読み方は複数あるのに対して、仏滅は「ぶつめつ」としか読まれません。
もとは「虚亡」「空亡」と呼ばれていましたが、ここからすべてが虚しい(空しい)という解釈が生まれ、これを「物滅」と呼ぶようになりました。
これは「物事がいったん滅び、新たな物事が始まる」という考え方に転じ、物事を始めるケースに限れば「大安」よりも望ましい日だと考えることもあります。
なお、この「物滅」が、偶然にも旧暦ではお釈迦様が亡くなった日とされる2月15日になることから「仏も滅するような悪い日」という意味合いが生まれ、「仏(佛)」の字があてられるようになりました。
つまり、本来は仏教とは関係のない日だったのです。
2.仏滅にしていいこと
実は、最凶とされる日でもしていいことはあります。
〇葬儀(葬式、お通夜)、法事
先に述べた通り、もともと中国の暦注である六曜は、インドで生まれた仏教とは関係のない日です。
「友引」は、その漢字から「友達を引っ張っていく」とイメージされ、友引を葬儀の日にすると、縁起が悪いと一般的には言われています。
火葬場が、だいたいどこも友引をお休みにしているのはこのためです。
仏教の宗派によっては、友引を避けずに葬儀を行うところもあります。
しかし、友引とは違い、葬儀や法事が仏滅の日になっても何ら問題はありません。
〇引っ越し
仏滅は「物事がいったん滅び、新たな物事が始まる」の「物滅」ですから、引っ越しは新たな門出であるため、仏滅でも良いという考え方があります。
〇神道の儀式(厄払いなど)
仏教だけでなく、本来は神道も六曜とは関係ありません。
そのため、神社側が結婚式や祈祷などで何かと忙しい大安を避けて、さまざまなイベントを仏滅に行うこともあります。
〇就職活動や新規事業
もともとの読み方である「空亡」「虚亡」は何もない状態を指します。
何もない状態はそれ以上悪くなりようがないので、新しくゼロから始める人にも仏滅は適しています。
3.仏滅にしてはいけないこと
六曜の中でも最も凶日であることから、基本的に縁起の良いことには仏滅はあてません。
〇結婚(入籍)
旧暦が使用されていたころから、特に入籍や結婚には六曜が意識されていました。
そのため、今でも仏滅は避けることが多いです。
しかし、六曜を知らない最近の若い人の間では、結婚式費用を少しでも安くしたいという意識も広がってきています。
仏滅は、どの結婚式場も割引されていることが多いので、あえて仏滅を選んで結婚式をすます方もいるそうです。
〇納車
ディーラーによっては、納車の際に「仏滅を避けませんか」と提案することもあります。
事故や死に直接かかわる車は、なるべく日取りのいい日にと思われる方が多いということです。
仏滅を上手に活用しよう
仏滅だからといって、何かが特別起こるというわけではありません。
あくまで、日本人の吉凶や縁起を気にする素朴な感覚が広く定着したものが六曜です。
ですから、縁起を気にする方は結婚式だけといわず、人生におけるさまざまな節目や場面で利用してみても良いのではないでしょうか。
仏滅と上手に付き合っていきましょう。