ロマンティックな意味を込めて贈るときに、花言葉はとても魅力的な要素です。
「愛しています」や「あなたを忘れない」といった恋愛に絡んだものが有名ですが、その他にも花には色々な意味が込められています。
例えば「約束」という意味を込めた花もあることをご存じでしょうか。
今回は「約束」という花言葉に絞って解説していこうと思います。
約束が花言葉な花1:クローバー
クローバーと言えば、幸運の印・四つ葉のクローバーを連想する方が多いと思います。
実は、三つ葉のクローバーには「約束」という意味も含まれています。
クローバーの和名である「シロツメクサ」も同じ花言葉を持っています。
花言葉の由来はアイルランドでキリスト教を布教しようとしたときに、三つ葉のクローバーを指してキリスト教の「三位一体」を説明して多くの奇跡を起こしたからと言われています。
その功績をたたえて、3月には三つ葉のクローバーをモチーフにした飾りつけをする習わしがあります。
和名のシロツメクサは漢字では白詰草と書き、オランダからの献上品のクッション代わりに使われていたことからこの名前が付きました。
主にガラス製品に使われていたようで、透明なガラスから透ける敷き詰められた箱いっぱいのシロツメクサはとても美しいです。
ただ注意してほしいのは、クローバーには約束の他に「復讐」という物騒な花言葉もあります。
贈るときにはトラブルを避けるために、必ず「約束」という言葉を添えましょう。
約束が花言葉な花2:ルリハコベ
ルリハコベはサクラソウの仲間で春に咲く花です。
海外名はアナガリスと言って、ルリハコベは和名です。
名前の由来は花弁が鮮やかな瑠璃色をしたハコベの形をした花だからと言われています。
暖かい地域に咲いている花で、日本では近畿地方から西側で見ることができます。
花言葉は「約束」の他に「変化」や「追憶」「変わり身」という意味も含まれています。
少し人には贈りづらい花ですが、ルリハコベは雨が降ると花弁がすぐに閉じてしまうことからこういった変わった花言葉がついています。
贈り物とするより、道端で見つけた時のにわか雨で、閉じたり開いたりする姿に癒されることでしょう。
約束が花言葉な花3:アサガオ
小学校の頃、夏休みで育てた経験のある人は多いのではないでしょうか。
アサガオは、バラやチューリップのように、色で意味が異なる場合があります。
ここでは「固い約束」という意味のあるセイヨウアサガオを紹介します。
そもそも、すべてのアサガオには「はかない恋」と「固い絆」という意味が込められています。
これは、朝に咲いていたアサガオが、日に照らされるとすぐにしぼんでしまう姿(はかない恋)や、つるを巻き付けながら太陽の光へ向かって一直線に伸びていく姿、その時に支えにしていた柱に固く絡む姿(固い絆)が由来とされています。
セイヨウアサガオは、アサガオの種類の中でも特に繁殖力が強く、つるも非常に頑丈です。
なので、花弁の部分ではなく蔓の部分を取って「固い約束」という意味が使われています。
そして、このアサガオにも贈るときには注意が必要な花言葉があります。
それは「私はあなたに絡みつく」です。
繁殖力とツタの強さをネガティブにとったからだと思われますが、ストーカーのような意味合いです。
贈る際には気を付けましょう。
約束が花言葉な花4:オミナエシ(女郎花)
万葉集でも詠まれた、秋の七草のひとつです。
漢字だと「女郎花」と書くのでしばしば「じょろうばな」と呼ばれてしまいます。
この名前にはちゃんとした由来があります。
このオミナエシにはよく似た花に「オトコエシ」という花があります。
茎が太くて花も大きい白い花を「オトコエシ」、茎が細くて花も小さく華奢な黄色の花が「オミナエシ」と対にして呼んでいます。
オトコエシは男郎花と書き、男郎は平安時代では貴族の男性を、女郎花の女郎は貴族の女性を意味していました。
「約束を守る」という意味は、能の演目「おみなめし(女郎花)」に由来すると言われています。
都に住む妻の元へ通っていた男性が、ある日を境に所用で会いに行けなくなってしまいます。
妻は夫が心変わりをしたと思い込んでしまって亡くなってしまいます。
男は悲しんで妻を埋葬したところ、妻の墓に咲いたのが、オミナエシです。
舞台の終盤に、妻の霊が「恋の妄執で死んだ私は、地獄に落ちて苦しむことになるでしょう」と言って消えていきます。
通い婚は「契り(約束)を交わす」とも言います。
約束を交わしたのに妻をほったらかしにした夫が、「地獄で再会したら、もう絶対に約束は破らない」とオミナエシに誓い、妻の後を追います。
そこから「約束を守る」という意味が込められるようになりました。
約束が花言葉な花5:ウメ(梅)
梅の花の花言葉は、「高潔」「忍耐」「忠実」と呼ばれています。
しかし、海外では「約束」と訳されています。
英語では「Keep your promise」フランス語では「Tenez vos promesses」という、どちらも「約束を守る」という意味で使われています。
もともと、花言葉は明治時代初期に西洋文化と共にイギリスの花言葉が普及したと言われています。
日本古来の花である梅は、日本の言い伝えから海外へ訳されていったという、通常とは逆の伝わり方をしています。
約束が花言葉な花6:スズラン
海外で主に「幸せな約束」という意味で愛されているのがスズランです。
特にフランスとイギリスでは5月1日を「スズランの日」として、その日にスズランを貰った人には幸せが訪れると言われています。
結婚式でも古くからの習わしで花嫁に贈る花としてよく使われています。
見た目は清楚で儚い花、反対に毒を持っている花として有名ですが、海外では密生して毎年必ず咲く花。
転じて、「毎年いつも咲いているスズランのように、長くあなたを幸せにすると約束します」という意味が込められています。
約束が花言葉な花8:エンドウ
エンドウ豆の花にも「約束」という花言葉が込められています。
他にも「永遠の悲しみ」「いつまでも続く楽しみ」という真逆の意味もあり、贈るときに頭を悩ませてしまう花の一つです。
これは、エンドウの「いつまでも蔓が伸び続けている」という特徴をどう捉えるか、で変わったものだと言われています。
縁がいつまでも長く続いていくという意味で「約束」、幸福がいつまでも続いていくという意味で「いつまでも続く楽しみ」、悲しみがずっと続いていくという意味で「永遠の悲しみ」といったように、その人の今の感情を映し出すような多彩な花言葉を持っています。
約束が花言葉な花9:バラ(白)
バラにはよく、異性に対して愛しているという意味で使われていますが、同性へ感謝の意味を込めて贈る場合もあります。
友情を示すのが黄色いバラですが、純潔な白いバラは「約束を守る」という意味で贈られることがあります。
結婚式やプロポーズで使われる場合とは違い、白を凛としていて純粋なイメージから使われます。
他にも「深い尊敬」という意味もあるので、尊敬できる身近な友人へ向けて贈られる花としても使われます。
ただ、蕾では意味が変わってしまうので、きちんと咲いた花を贈るのがよいでしょう。
花言葉で「約束」を意味する花を大切な人に贈ろう
多くの花が、ポジティブな意味とは別に、物騒で重い花言葉も持っています。
特に日本古来の花に込められた「約束」は、全て幸せな約束とは言えないものが多くあります。
それだけ、日本人にとって「約束」と言うのはとても重い意味合いを持ったものなのかもしれません。