約束が花言葉な花4:オミナエシ(女郎花)
万葉集でも詠まれた、秋の七草のひとつです。
漢字だと「女郎花」と書くのでしばしば「じょろうばな」と呼ばれてしまいます。
この名前にはちゃんとした由来があります。
このオミナエシにはよく似た花に「オトコエシ」という花があります。
茎が太くて花も大きい白い花を「オトコエシ」、茎が細くて花も小さく華奢な黄色の花が「オミナエシ」と対にして呼んでいます。
オトコエシは男郎花と書き、男郎は平安時代では貴族の男性を、女郎花の女郎は貴族の女性を意味していました。
「約束を守る」という意味は、能の演目「おみなめし(女郎花)」に由来すると言われています。
都に住む妻の元へ通っていた男性が、ある日を境に所用で会いに行けなくなってしまいます。
妻は夫が心変わりをしたと思い込んでしまって亡くなってしまいます。
男は悲しんで妻を埋葬したところ、妻の墓に咲いたのが、オミナエシです。
舞台の終盤に、妻の霊が「恋の妄執で死んだ私は、地獄に落ちて苦しむことになるでしょう」と言って消えていきます。
通い婚は「契り(約束)を交わす」とも言います。
約束を交わしたのに妻をほったらかしにした夫が、「地獄で再会したら、もう絶対に約束は破らない」とオミナエシに誓い、妻の後を追います。
そこから「約束を守る」という意味が込められるようになりました。