花言葉の中には「死」を意味するものもあります。
もしその花言葉を知らずに誰かにプレゼントをしてしまったら、相手を傷つけてしまうかもしれません。
また二人の関係性が悪くなってしまうことも考えられます。
そこでその様なことを避けるためにも「死」を意味する花言葉を持つ花たちをご紹介します。
1.スノードロップ
雪のように白くて可愛らしい花を咲かせるスノードロップですが、その花言葉は「あなたの死を望みます」です。
このスノードロップの花言葉はイギリスの言い伝えが由来となっています。
ある日カルマという女性の恋人が死んでしまいました。
恋人の死に酷く傷つき悲しんだカルマは、スノードロップの花を摘んで恋人の体に乗せました。
当然これによって死んだ恋人は目覚めることはありません。
しかし突然亡くなった恋人の肉体はスノードロップの花となっていきました。
この物語からスノードロップの花の花言葉は「あなたの死を望みます」と広まっていきました。
このほかにスノードロップにはいくつか花言葉があります。
「慰み」「希望」「もしものときの友」「初恋のまなざし」「幸運を呼ぶもの」など、明るく前向きな花言葉もあります。
しかしどうしても「あなたの死を望みます」という花言葉のインパクトが強すぎて、怖い花というイメージが残ってしまうかもしれません。
2. 桑
桑(クワ)の花言葉は「共に死のう」です。
クワにこんな恐ろしい花言葉がついたのは、ギリシャ神話が由来となっています。
愛し合うピュラモスとティスベという若者は、お互いの両親から交際を反対されある夜に駆け落ちすることにしました。
2人は桑の木の下で待ち合わせすることにしました。
ティスベが桑の木の前に到着すると血まみれのライオンが現れました。
ティスベが慌てて逃げた拍子に被っていたベールを落としてしまいました。
そこへやって来たピュラモスは血まみれライオンと落ちているティスベのベールを見て、愛するティスベが死んだとものと思い込み悲しみのあまり自ら死を選んだのでした。
その後待ち合わせ場所に戻って来たティスベも、変わり果てたピュラモスの姿を見て悲しみ後を追って命を絶ったのです。
このお話は誰もが知っているであろう「ロミオとジュリエット」の原型とも言われているお話です。
この物語に桑の木が登場することから桑の花言葉は「共に死のう」となりました。
3.トリカブト
トリカブトには猛毒があることは、おそらくほとんどの人が知っているでしょう。
トリカブトの恐ろしい花言葉は「あなたは私に死を与えた」です。
一説では、トリカブトの強い毒を医療に使えないかと考えた研究者たちが、トリカブトを使った人体実験を行い、その結果、多くの人が命を落としたという話から、トリカブトにはこのような恐ろしい花言葉がついていると言われています。
トリカブトは日本三大有毒植物と言われており、ドクウツギ(ドクウツギ科ドクウツギ属)、ドクゼリ(セリ科ドクゼリ属)と並んで危険な植物とされています。
トリカブトの花色は紫、白、ピンク、黄、青などがあります。
他にもトリカブトの花言葉は、「栄光」「厭世家」「復讐」「騎士道」といくつかあります。
4. ドクニンジン
ドクニンジン(毒人参)は「あなたは私を死なせる」という花言葉を持ちます。
この他には「死も惜しまず」「裏切り」「悪意」という意味の花言葉もあります。
ドクニンジンはその名の通り、根にも茎にも葉にも花にもアルカロイド系の毒を有しています。
ドクニンジンの毒が体に回ってしまうと、激しい嘔吐や神経麻痺、呼吸困難を起こしてしまう可能性もあり、最悪の場合は命を落とす場合もあります。
ドクニンジンの花は白く可憐な花なのですが、可愛らしい花の姿に似合わず強力な毒を持つドクニンジンの特性から「裏切り」「悪意」そして「あなたは私にとって死を意味する」といった恐ろしい花言葉がつけられたのです。
またドクニンジンは、哲学者ソクラテスの死刑執行にも使われたと言われています。
ソクラテスは逃げることも出来たのに、自らの信念を貫くためドクニンジンによる死刑受け入たと言われており、このことから「死を惜しまず」という花言葉もうまれました。
ドクニンジンな茎には赤い斑点があるのが特徴なのですが、この赤い斑点は「ソクラテスの血」とも呼ばれています。
5.イトスギ
イトスギの花言葉は「死」「哀悼」「永遠の悲しみ」「絶望」と悲しく恐ろしい花言葉が並びます。
イエスキリストが磔(はりつけ)に十字架は、イトスギで作られたという話が有名です。
このことからイトスギは「死」を連想させる花言葉がついたのです。
またギリシャ神話にもイトスギは度々登場し、神話の中でも死を意味しています。
ある神話では島中の人々なら大切にされていた金色の角をもつ雄鹿とキュパソリッソスという少年は、とても仲が良くいつも一緒にいました。
ところがある日キュパリッソスが槍投げをしたら、仲の良かった金色の角を持つ雄鹿に槍が刺ってしまい雄鹿は死んでしまいました。
あまりのショックにキュパリッソス神様に「永遠の嘆き悲しみ」を願いました。
するとキュパリッソスの身体はイトスギに姿を変えられてしまったのでした。
この話からイトスギの花言葉は「永遠の悲しみ」となったと言われています。
6.パセリ
緑の野菜、パセリも花を咲かせることをご存知でしょうか?
パセリの花は白色や黄色で非常に細かい花を咲かせます。
そんなパセリの花言葉は「愉快な気持ち」「お祭り気分」「祝祭」「勝利」といった明るい花言葉です。
しかし、あと1つある花言葉が「死の前兆」という花言葉です。
これはギリシャ神話に由来しています。
レームノス島の元女王ヒュプシピュレーは女王の座を終われ、奴隷となりました。
自分の雇い主となった王の子オフェルテスの養育係となったヒュプシピュレーには「歩けるようになるまで、子どもを地べたに寝かせるべからず」という神託を与えられていました。
その言いつけを守るためヒュプシピュレーはオフェルテスをパセリの上に寝かせ、束の間その場を離れました。
オフェルテスの戻ってみるとパセリの上に寝ていたはずのオフェルテスは、大蛇に食い殺されていました。
大蛇に食い殺されたオフェルテスの血が地面に流れると、そこからパセリが芽吹いたという話です。
こんな恐ろしいギリシャ神話からパセリは「死の前兆」という意味が付けられたのです。
7.スイレン
スイレン(睡蓮)にはたくさんの花言葉があります。
スイレン全般の花言葉は「清純な心」「慎み深さ」「柔らかい心」「無垢」「信頼の心」「信仰」などです。
清く温かい花言葉とは反対に、スイレンには「滅亡」や「死して無くなる」という花言葉もあります。
ギリシャ神話にはこんな物語があります。
森林や水辺に宿る精霊ニンフは、英勇ヘラクレスの愛人でした。
しかしニンフはヘラクレスに捨てられ、絶望からナイル川に身を投げてしまったのです。
身投げをしたニンフがスイレンの花に姿を変えたというお話です。
まさに「死して無くなる」ストーリーとなっています。
またナイル川にはたくさんのスイレンの花が咲いています。
この事から白いスイレンは「ナイルの花嫁」とも呼ばれているのです。
花言葉で「死」を意味する花を知ろう
「死」を意味する花言葉を持つ花たちをご紹介しました。
どれも美しい花ばかりですが、花の特徴や特性、そしてギリシャ神話から、寂しくも恐ろしい「死」という花言葉をつけられました。
プレゼントには不向きかもしれませんがそれぞれが美しい花であり、ポジティブな花言葉を持つものもあるので、一概に怖い花と考えず、花の奥深さを味わってみてください。