5.贈り花としてのスズラン
フランスでは5月1日を「スズランの日」と呼び、スズランの花を愛する人へ送るという風習があります。
フランスのシャルル9世が、幸せをもたらす花としてスズランの花束を贈られてとても喜んだのが5月1日だったため、5月1日にスズランを贈り合うという習慣が始まったとされています。
5月1日前後には街中にスズランを売る移動式花屋さんがあちこちに出現し家族や恋人、普段お世話になっている人に贈るスズランを買い求める人々の姿が目立ちます。
この日だけは、一般の人も街頭で許可なしにスズランの花を売ることが大目に見られており、子供が森で摘んできたスズランを街角で売ってお小遣いにする、などという話も耳にします。
日本でも近年、このフランス発祥の「スズランの日」が少しずつ浸透して、4月下旬から5月上旬に切り花のスズランを取り扱う花屋さんが増えてきました。
スズランはもともと花保ちが3日〜5日程度とあまり長くないため、数年前までは切り花のスズランが店頭で扱われることは多くありませんでした。
この近年の需要に合わせてスズランを栽培する農家さんも増えており、それに伴い花の品質も向上してるそうです。